詩人の部屋 響月光

響月光の詩と小説を紹介します。

2022-01-01から1年間の記事一覧

エッセー 「 Viva! 善悪二元論 ~バラ色のエネルギー~」& 詩

エッセー Viva! 善悪二元論 ~バラ色のエネルギー~ Ⅰ 世の中は「善悪二元論」で動いている デカルトは心と体は別物という「心身(実体)二元論」を唱えたが、いまでもそれを信じている人は多い。それと同じに、太古の昔から「善悪二元論」という認識法が人…

エッセー 「群盗の生態学 (習近平の思惑)」& 詩

エッセー群盗の生態学(習近平の思惑) 子供の頃、狼に育てられた野生児アマラとカマラの話が教科書にも載っていて、興味をそそられたことがある。最近では野生動物に育てられた子供の話は作り話だろうと言われているが、18世紀のフランスで発見されたアヴェ…

エッセー「 マネとペルソナ」& 詩

エッセーマネとペルソナ(仮面) 物心がつく前のことだ。親に抱かれて母屋の玄関に飾ってあった花瓶のそばにいくと、必ず泣いたそうだ。まるでイソップ寓話の『狐と鶴の御馳走』にでも出てくるみたいな首長の陶器で、虫の這ったような草書漢字が書かれた骨董…

エッセー 「女性の地位向上が必要なわけ」& 詩

エッセー 女性の地位向上が必要なわけ (親類であるボノボを考える) チンパンジーとボノボは、同じ同族別種である我々サピエンスとネアンデルタール人の関係に譬えられることがある。もっともネアンデルタール人は絶滅してしまったので、比較研究を行うにし…

エッセー 「肥満は進化である!」& 詩

エッセー「肥満」は進化である!(適応進化の非学問的考察) 巨大隕石が落ちて恐竜とともに絶滅した海洋生物に、アンモナイトがいる。時代によって形は異なるものの、幾何学的に美しい螺旋構造(対数螺旋)がダ・ヴィンチやガウディなどの芸術にも影響を与え…

エッセー「 『ファウスト』とカルト」 & 詩

エッセー『ファウスト』とカルト ゲーテの戯曲『ファウスト』の中に、「時よ止まれ、お前は美しい」という有名な台詞がある。ファウスト博士は、色々な学問に精通した博識の学者だが、老齢になっても究明し切れなかった謎が多くあったことなどに失望し、虚脱…

エッセー 「地底人間への誘い」& 詩

エッセー 地底人間への誘い 人間だろうが恐竜だろうが、魚やカエルや昆虫だろうが、命がもらえるのは母親の体内で、そこでしばらく育ってから危険な体外に放り出される。つまり幼い生き物にとって一番安全な場所は、母親の腹の中ということになる。そこは四…

エッセー「 アガスティアの葉」 & 詩

エッセーアガスティアの葉 古代南インドの仙人(リシ)は、すべての人間の過去、現在、未来を知っていて、これを記したヤシの葉「アガスティアの葉」が各地に残っている。一時日本でもブームになり、多くの観光客が現地のト占所に訪れて占ってもらった。「当…

エッセー「 必要悪の哲学」& 詩

エッセー必要悪の哲学 プーチン大統領は6月9日、初代ロシア皇帝のピョートル大帝を扱った展示会を訪れ、大帝が参加した18世紀のスウェーデンとの戦争(大北方戦争)をいまのウクライナ軍事侵攻になぞらえて、二つの戦いの正当性を主張した。大帝はロシアに元…

「イメージとしての枯山水」& 詩

イメージとしての枯山水 5、6歳の頃、自家中毒(周期性嘔吐症)という病気に罹かった。体内に生じるケトンという物質に中毒症状を起こして嘔吐を繰り返すもので、神経質な子が罹りやすいという。嘔吐が治まるまでは安静にしていなければならず、気持ちの悪…

エッセー 「枯山水」& 詩

エッセー枯山水 陽気が良かったので、久しぶりにぶらぶらと散歩を楽しんだ。すると、近くにある大きな家の庭が雑草に蹂躙されて、荒れ放題になっていることに気付かされた。高齢のご夫婦が住んでいて、奥さんがこまめに庭の手入れをしていたのだが、いつの間…

エッセー「百毒繚乱」& 詩ほか

エッセー百毒繚乱 北国では雪が融け、茶色一色で満たされていた野原のあちらこちらから、黄や緑の淡い色合いが現われ始めてきた。その瑞々しさに胸ときめかす人も多いに違いない。反対に、茶系統の色を綺麗な色と思わないのは、それが死んで枯れた植物の色だ…

エッセー「メタバースでマリウポリを再興しよう」& 詩

エッセーメタバースでマリウポリを再興しよう! ロシアの進攻で、瓦礫と化したウクライナの町々が映像として目に飛び込んでくるようになってきた。僕を含め、多くの日本人が心を痛め、避難民をなんとか助けてやりたいと思っている人も多いに違いない。停戦に…

エッセー 『片耳の大鹿』& 詩ほか

詩送る花(戦争レクイエムより) 死んだ仲間たちの穴に花束を投げ入れようネアンデルタールの人々がそうしたようにそしてその伝統を我々が引き継いだのなら色とりどりの花を並べる店が消え去っても雪解けの野辺に生える草の小さなつぼみを涙で濡れた傷だらけ…

エッセー 「人間は感動を操る動物である」 & 詩

エッセー「人間は感動を操る動物である」 もし僕が大病に罹って医師から余命宣告を受けたとすれば、いままで生きてきた過去を振り返って、感動した出来事を一つひとつ思い出すに違いない。苦い思い出ばかりを振り返れば、来世が期待にそぐわない場合は二度失…

エッセー「神様の想定外」& 詩ほか

エッセー神様の想定外 仏教では修行者が食を絶って大日如来と結合する「即身成仏」や、飢餓などで苦しむ人々の救済を目的に、高僧が生きたまま土に埋められる「入定(永遠の瞑想)」という自ら命を絶つ行為があった。両者ともミイラになるので、即身成仏は空…

エッセー「象徴としてのグレタ・トゥーンベリ」& 詩ほか

詩獄門星 恐竜どもが闊歩していたときちっぽけな脳味噌は宇宙の戯事であるこの星の役割をこれっぽっちも考えなかった 邪悪な肉食竜たちよおまえの祖先はおまえを皆殺した飛礫(つぶて)と同じにどこか平和な星の自浄作用で瘡蓋(かさぶた)が剥がれて宙に迷…