詩人の部屋 響月光

響月光の詩と小説を紹介します。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アバター殺人事件(二)& エッセー

アバター殺人事件(二) 二 神田界隈の神田川沿いに小さなマンションがあって、その三階が「宇宙友好協会」の事務所だ。ドアを開けたのはエリナ、その後ろに見覚えのある顔がいたので一瞬ポカンとしながら凝視し、ワンテンポ遅れてアアアと言葉にもならない…

アバター殺人事件(一)& 詩

詩 理想の女(ひと) ある日街角を歩いていると 前方から素敵な熟年女性がやって来て 僕の前で止まって目を大きく見開き おどおどしながら話しかけてきた 私のことを憶えていらっしゃる? 僕は戸惑いながら必死に思い出そうとしたが 彼女はそんな僕を気遣って…

抱腹絶倒悲劇「第三次世界大戦はこうして始まった」(全文)& 詩

詩 悪疫 津々浦々の街角で 死神がお前の目の前を横切り 笑いながらウィンクして カウンターをカチャリと押し 腐った肺腑を振り絞って 汚れた吐息を吹きかける 「時短」という名のナノチューブが お前の顔に降りかかり お前は悪びれもせず貪欲に パクリと飲み…

抱腹絶倒悲劇「第三次世界大戦はこうして始まった」最終 & エッセー

抱腹絶倒悲劇「第三次世界大戦はこうして始まった」最終 八 ターゲット順番決定秘密パーティー (日本妻とハワイ人を除くすべての出演者、コンパニオンがシャンパンを片手に出席) 議長 みなさん、すべての選挙運動は昨日で終わりました。ケイマン諸島への振…